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悲しい配電盤
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このあたりに昔から生えていた、アオギリが切られて、早半年。
青山だからケヤキにするなんて言ってね。
そりゃケヤキはおしゃれですよ。
青山ーって感じがするですよ。
でもね、わたしはアオギリさんとずっと一緒にいたんです。
ずっと一緒に青山の変遷を見てきたわけですよ。
このあたりはね、風が強いんですよ。
ビル風ってやつです。
ときどき小さな竜巻がおこるくらいなんです。
冬はそりゃ寒いですよ。
そんな時もアオギリさんのおかげで
わたしは心強かったんです。
アオギリさんは種を飛ばすんですよ。
プロペラみたいにくるくると回りながら
種が飛んで行くのを見ていると
不思議と幸せな気分になれるんですよ。
アオギリさんがいなくなった時は
そりゃ寂しかったですよ。
全部切るわけじゃなくて
移転するんだーなんて言ってましたけどね。
アオギリさんは懐疑的だったですね。
もう箪笥でも琴でも、何にでもしやがれー
って開き直ってましたよ。

ケヤキさんが嫌いなわけじゃないですよ。
ケヤキさんともうまくやって行こうと思ってますよ。
でもね、心配なことがあるんです。
ケヤキさんは秋になると葉っぱを落とすでしょ。
その葉っぱがわたしの上に積もるでしょ。
すぐに掃除してくれたらいいけれど
積もったまま、雨なんか降ったりなんかすると濡れるでしょ。
濡れっぱなしになるじゃないですか。
錆びるかもしれないじゃないですか。
錆びるのいやじゃないですか。
それにね、アオギリさんだけじゃなくて
わたしの後ろには小さな木が生えてたんですよ。
後ろにあるから、結局何の木だったのか、
分からなかったですけどね。
なんていうか、こう、もっさりとびっしりと
わたしの後頭部を守ってくれてたわけですよ。
だから最近は頭が寒くてね。
すーすーするんですよ。
冬が来る前になんでもいいから植えてもらえませんかね。
あなたにたのんでも無理ですか。
そうですか。
by haniwasoichi | 2009-09-10 01:29 |
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